長崎大学 情報データ科学部

学術情報 詳細Academic Information

2023年10月25日
マラリアの免疫記憶を量的質的にコントロールする方法を発見(本学熱帯医学研究所との共同研究)
 本学部の松本 拡高准教授は、長崎大学熱帯医学研究所シオノギグローバル感染症連携部門の由井克之特命教授らの研究グループとの共同研究において、マラリアの免疫記憶を量的質的にコントロールする方法に向けた知見を発見しました。本研究で得られた成果は「EMBO Molecular Medicine」に掲載されました。

 

■研究の背景
 マラリアは毎年多くの感染者と死者が報告されており、結核やエイズと並び、世界3大感染症のひとつに数えられています。マラリアでは、再感染に対する抵抗性を獲得しにくい、また一旦獲得した抵抗性が失われやすいと考えられており、これはマラリア原虫を認識するリンパ球が免疫記憶細胞になりにくいためだと考えられますが、その仕組みは十分に明らかではありませんでした。

 

■研究成果
 本研究では、マラリアの免疫記憶について、インターロイキン27の免疫応答調節機構に着目し動物モデルを用いて研究を進め、インターロイキン27の効果や免疫細胞のダイナミクスを明らかにしました。

 

■分担者の役割
 本学部の松本拡高准教授は特にインターロイキン27の働きをブロックしたときの免疫細胞の変化を、1細胞RNA-seqデータのバイオインフォマティクス解析を通して示し、免疫細胞のダイナミクスを明らかにすることに貢献しました。

 

■論文情報
掲載誌:EMBO Molecular Medicine
論文タイトル:IL-27 produced during acute malaria infection regulates Plasmodium-specific memory CD4+ T cells
論文リンク:https://www.embopress.org/doi/10.15252/emmm.202317713

トップへ